昭和は遠くなりにけり
近所のコンビニやスーパーに買い物に出かけ、何気なくお菓子コーナーに足を踏み入れると、商品棚に並べられている数々のお菓子の入れ替わりっぷりに驚かされている。
最近はすっかりオヤジになりスナック菓子を食べる機会が減ったのだが、肥満児小学生だった頃の私は、ご多分に漏れずお菓子が大好きだったのである。
おやつにスナック菓子を食べすぎ、すっかり血糖値が上がりお腹いっぱい。
夕飯をガッツリ残し母親から叱られた経験は数限りない。
こんな経験をお持ちの方は沢山いることだろう。
最近になって知ったのだが、小学生時代に愛してやまなかった名作スナック菓子が、どんどん生産中止に追い込まれていると言うのだ！
なんと言うことだ・・・・・。
平成キッズたちはスナック菓子が嫌いになってしまったのだろうか？
それとも、少子化にともないスナック菓子の消費が低迷し、メーカーも苦渋の選択の末にラインナップを縮小せざるを得なかったのか？
どちらにしても昭和は遠くになりにけりだ。
今回は、ひっそりと姿を消した昭和の傑作スナック菓子の数々をご紹介したいと思う。
記載した商品は完全に私の独断と偏見でチョイスしている。
思い入れの違いもあるので、その部分も含めてご覧いただきたい。
生産中止になった数々の名作お菓子たち
ポポロン（明治製菓）：2015年2月生産中止
2015年2月、このお菓子が生産中止になったことが未だに信じられない。
シュークリームを思いっきり頬張りたい！という、小学生なら誰しもが夢見た贅沢を、わずか200円（当時の小学生からしたらかなりの高額商品だったが）で手にできたのである。
この明治製菓のスペシャリテに、貧乏小学生だった私が狂喜乱舞したのは言うまでもない。
初めて「ポポロン」を口にした時の衝撃は今でも忘れられない。
シューのパサつきが結構強く、口の中の水分を持っていかれたことを差し引いても、抜群の美味しさだったのである。
中身がカスタードではなくチョコであったことも当時の私には嬉しかった。
シュークリームとは別物の仕上りだが、立派な「ポポロン」と言うブランドを確立したと言っても大げさではないと思っている。
生産中止が決まった時の明治製菓のコメントは以下のようだった。
ポポロンは、誠に勝手ながら、2015年2月をもちまして、製造を終了させていただきました。現在のところ、当商品に代わる商品や類似品の発売予定はございません。ご愛用いただいていたお客様には、ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。これからも、皆様においしく召し上がっていただける商品作りに努めてまいります
明治製菓ホームページより
冗談ではない何を言っているのか！と、今でも憤慨して止まない。
上記の宣言通り、2019年現在も「ポポロン」に代わる商品を明治製菓は製造・販売していない。
どうしてなのだ？
他社から類似品は販売されている、それは食べたことはある。
しかし、いかんせんそれは「ポポロン」ではないのだ。
見た目や味は似ていても、それは「ポポロン」の代わりにはなり得ない。
明治製菓が製造・販売してこその商品なのである。
お願いである。
明治製菓様よ、今一度「ポポロン」を復刻でもいいから再販してほしいのである。
ピックアップ（明治製菓）：2017年8月生産中止
お前は明治製菓の回し者か？と言われてしまいそうだが、
この「ピックアップ」も私のおやつヘビーローテションの中に、ガッツリとランクインしていた商品なのである。
パッケージの記載にある通り、サクっとした口当たりと濃厚なチーズの風味が絶妙にマッチしていた商品であった。
フリトレーの「チートス」というスナック菓子もあったのだが、こちらは味も口当たりもネットリとした濃厚なもので、相当に腹ペコモードでないと太刀打ちが出来なかった記憶がある。
軽い口当たりと濃厚な味わい。
これが丁度よかったのである。
夕食が食べれなくなるほどの濃厚な味わいでもなく、かと言って物足りないわけでもない。
バランス感覚の勝利といったところである。
重ねてお願いである。
明治製菓様、「ポポロン」と共に「ピックアップ」も復刻版、いや再販をしてほしいのである。
カール（明治製菓）：2017年8月生産中止
「ピックアップ」と時を同じくして、往年の名作ヒット商品である「カール」の生産中止も発表された。
このニュースはTVやネットでも大々的に報道され、生産中止を惜しむファンがこぞって「カール」を買い求めたことも記憶に新しい。
それだけ長年愛されていた商品の生産中止のニュースに、私も驚きを禁じ得なかったのである。
「カール」。
ポップコーンから着想を得て、1968年に製造と販売を開始。
実に49年の長きに渡り愛されていたのだ。
この商品の生産中止に踏み切った明治製菓も、実に断腸の思いだったに違いない。
最初はサックリ、食べ続けていくとズッシリと言うかネットリする食感が特徴であった。
食べ進めていくうちに上顎や奥歯に「カール」が溜まってしまい、それを舌でこそげ落とすのもまた楽しかった。
まだまだ沢山ある
結果、今回は明治製菓のお菓子だけで終わってしまった。
だが、まだまだ生産中止となってしまった愛するスナック菓子は沢山あるのだ。
もっとニュースを見たり、実際にスーパーのお菓子コーナーに足を運ばなければ、お菓子業界の現状はわからないだろう。
折を見てまたご紹介したいと思う。
子供の頃に愛したスナック菓子。
思い立ったように食べたくなっても、その時は既に販売していない・・・・・。
これはほど悲しく、切ないことは他にあるまい。
時代は移り変わっても、残していただきたい味の原風景は沢山あるのである。
