君よ、足るを知れ!

我慢ウィークは終了したが・・・・・

緊急事態宣言発令下、今年のゴールデンウィークならぬ「我慢ウィーク」が無事に終了した。

これほどまでに自宅でゆっくりと過ごしたGWは今までに経験がなく、Amazonプライムビデオでジェイソン・ステイサム出演作品をイヤというほど鑑賞できたり、Amazonプライムリーディングで片っ端から気になった本を読破することができたり、Amazonのサービスがなければ夜も日も明けないような状態であったのだ。
プライム会員の特典をここまでしゃぶり尽くすように利用でき、今年はしっかり元を取ったような気分である。

ちなみに、妻はステイサムの名前を間違えて記憶してしまっているようで、何度注意してもジェイソン・ステイタムと、ちょっとカワイイ感じの呼び方を変えようとしない。
いちいち言うのも疲れるだけなので、もはや指摘することも止めてしまった。

また妻はAmazonプライムミュージックのプレイリストを流しながら夕食の支度をするのがお気に入りで、「ボサ・ノヴァのゆる~いリズムが心地いいのよねぇ~」とご機嫌で、まな板を叩く包丁のリズムも軽快だ。
ただ、表示されているプレイリストのタイトルが「夜のジャズ」ということを未だに指摘できずにいる。
バイ菌扱いされていて、ただでさえ家庭内ソーシャル・ディスタンスを1mから3mに拡張されているので、これ以上距離を置かれたとあれば、家庭内であるにも関わらずラインでのコミュニケーションを余儀なくされそうで怖いからだ。
ウォーキングなどの外出時は必ずマスクを着用、帰宅時には手洗いを欠かしたことはないのだが、どうしてなのだろう。
リモートワークで上はYシャツ、下はブリーフで仕事をし続けていたのが悪かったのだろうか?
真相は未だ闇の中だ。

GW終了間際の「黄昏タイム」が今年はなかった

例年GW明けの週というのは非常にシンドく、肉体的にも精神的にもヘビーであったのだが、今年は様子がまるで違った。リモートワーク継続続行の大号令の下、人生最大の無駄遣いと信じて疑わない、満員電車の地獄から開放されてのGW明けなのだ。
友よ、世のアラフィフ・サラリーマン(それ以外の年代のリーマンにも)に、これがどれほどの福音としてもたらされたかご理解いただけるだろうか。
コロナ感染のリスクからも、加齢臭の充満する満員電車の恐怖からも開放されるのだ。
もうこのまま永遠にリモートワークが続けばいいと思っている、真剣に。
リモートワークでは対応できない業種・業態の方々には大変申し訳ないのだが、通勤地獄から開放される喜びは何物にも変え難くなってきているのは事実である。
もう品川駅乗り換えの山手線など乗りたくないのだ。いや、電車自体に乗ることすら既に嫌悪感を感じている自分がここにいるのである。

GW終了時、奈落の底に突き落とされるような、あの黄昏タイムの波状攻撃に晒されなかっただけでも、今年は格別であったと断言しても良い。
ほとんど自宅で軟禁生活状態であったにも関わらず、心は五月晴れのごとく晴れ晴れとしていたのだ。

果たしてコロナウィルスは沈静化したのか

GWが明け、東京を始めとした全国のコロナウィルス感染者数が減少に転じているとの報道が盛んである。多くの国民による(一部のアナーキーなパチンコ店やパチンカーは必死な抵抗をみせていたが)外出自粛が功を奏したのか、とにかく報道される感染者数は目を見張るような減少を見せた。
本当に喜ばしいことであるし、これ以上の感染拡大が続くことによる医療崩壊が回避出来たような気にはなる。(真偽のほどは定かではないが、少なくとも医療崩壊を伝える報道は今のところ聞こえてこない)
まだまだ予断を許さぬ状況であるとはいえ、新緑をわたる春風の如き爽快感が、国民全体に行き届いたような気がするのは私だけだろうか。
終わりの見えない無間地獄のような軟禁生活に、一筋の光が差したような気がするのだ。

風邪は治りかけが肝心と言われるように、こんな時だからこそ、最後の一踏ん張りとしての外出自粛がリポビタンのように必要だと思うのだが、世の中はそうではないらしい。
今後の状況次第では早期の緊急事態宣言の解除もありうるとの政府発表により、街は既に蜘蛛の子を散らすかのごとく、ウヨウヨと人が現れはじめているのだ。

一番ビックリしたというか、呆れてしまったニュースといえば、営業を再開した新宿の紀伊國屋書店に朝から長蛇の列ができ、並んでいる客の殆どが「あつまれ どうぶつの森」の攻略本を買い求める転売ヤーだったというものだ。
もう三密もクソもない。間隔を開けるどころかギッチリと密集するように列をなし、中にはマスクをすることもなく談笑しながら書店のオープンを待つ転売ヤーがTV画面に映し出されたとき、これが本当の「あつまれ 馬鹿者の群れ」と得心するに至ったのである。

待て待て待て、まだコロナウィルスはお気楽極楽に外出を満喫するレベルまで沈静化されてはいないはずだ。
ましては密集するように列をなしている様など、ほとんどホラーである。
この気の緩みが全国規模で拡大し、自粛ポリスをも駆逐することになった頃、またまたクラスター感染がぶり返したりはしないだろうか。

君よ、足るを知れ

禅寺で修行したことはおろか、座禅もまともに組んだことのない人間がいうのも難だが、私を含め世の中の人はもっと、禅の教えである「足るを知る」を心がけるべきなのだと思う。

今あるもの、手にしているもので充分に事足りている。

ゲームは自ら攻略するから楽しいのであって、本に記載されたガイドラインをなぞってプレイしても面白くはなかろう。配る配る詐欺となり下がってしまったアベノマスクも、自ら高値で購入した使い捨てマスクで凌げる目処は立っている。(1箱50枚入りで3,000円也)

今あるもので満足する気持ちがあれば、きっと余計な物欲は抑えられるはずであるし、我慢を我慢とも思わなくなるのではないだろうか。断捨離をして私物の整理をしてみるのも、この際だから大いにやるべきなのだ。

たた、GW中は増加する食欲の歯止めが全く効かず、食いたいものを・食いたい時に・食いたいだけ食べ、なおかつ外出自粛を口実にダラダラと自堕落な生活を続けていたおかげで、我が腹を取り巻く贅肉の浮き輪は1.5倍ほどの成長を遂げたのはいうまでもない。

我が胃袋こそが「足るを知る」べしなのであると、体重計に乗り喫驚するに至るまで気が付かないGW明けの夜なのであった。


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