2023年7月7日

今年はじめての・・・・・。

疲れていた。
眠かった。

7月に入ってからの梅雨なんだか夏なんだかはっきりしない、でも全然涼しくない陽気に体力のほとんどを持っていかれ、ノーエアコン・扇風機オンリーの生活を送っていたのだが、どうにも我慢が出来なかった。

アラフィフおやじの体力は、一口サイズの蒟蒻ゼリーのように小さくて少ない。
プチシューくらいに中身がスッカスカで口に入れたら溶けてなくなるのだ。
フランダースの犬のネロがごとく、「もぅ僕は疲れたよ・・・・・眠いんだぁ・・・・・」と、半ば廃人のようにうわ言ばかりが口を吐く。
急激な気温の上昇に体力、気力、もとから底の見えている能力まで奪われたのである。

今週、仕事で事務所に行くことになったのだが、これはもう別世界だった。
エアコンが効いているのである。
もう一度言おう。
エアコンが強烈に効いているのである。

高騰する電気料金などお構いなしに、のべつ幕なしエアコンを点けているセレブリティな生活を送っている富裕層には物足りない冷気なのかもしれないが(実際、暑い暑いと文句を言っている同僚が山ほどいた)、ノーエアコン生活を3年も続けていた節約オヤジにとって、まさに事務所はパラダイスだったのだ。

人生最大の無駄遣いは通勤電車である!
この思いは未だに持ち続けており、コロナ禍でリモートワークが市民権を得た今でもそう思う。
鉄道会社には本当に申し訳ないが、同じ時間に民族大移動するかのごとき通勤電車など、無くなってしまえばいいと心底持っている。

だがしかし!
今日だけは別だった。
むせかえる熱気にクラクラしながらラッシュ時の電車に乗ったのだが、車内はキンキンに冷えておりまことに快適。
会社に着けば前述の通りである。
エアコンという文明の利器から遠ざかり、原始人のような生活をしていた身としては、電気とエアコンという二つの大発明の恩恵を、文字とおり凍えるほどに味わったのだ。
まさに今年はじめて、エアコンの冷気を全身全霊に浴びたのだ。

余りに冷房の空気を全身に浴びてしまったおかげで、もとより弱かった下っ腹のあたりがギュルギュルいいだし、ゲリゲリとトイレの個室でダーティーな音を立ててしまったりもしたが、それでもなお、余りあるほどの感動をエアコンは送り届けてくれたのである。
(そういえばトイレも冷房が効いていた。自宅のトイレに入ったら一瞬で干からびているところだった)

帰宅途中、これまた今年はじめてセミの声を聞いた。
7年間の長い眠りから覚め、ようやく燦々と輝く太陽のもとに顔を出したセミたちが、己の命の原泉を大気に放出するようにジリジリと鳴き声を上げる。

夏が来たのか?
もう梅雨は終わりか?

そういえば、今日は七夕だったのである。
今年始めてエアコンの冷気を一身に浴びたように、彦星は織姫の愛を全身に浴びることができたのであろうか?


つまらない日記に付き合ってくれて、本当にありがとうございます。

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