2023年7月10日

これが熱中症か?

もう梅雨は明けただろう。
気象庁が発表せずとも、この狂ったような灼熱の酷暑は、夏本番が到来したことを無言で主張しているとしか思えない。

今日は会社の倉庫で一人欠員が出てしまったため、在庫確認と品出しがどうやっても間に合わない緊急事態に陥ってしまった。
倉庫から緊急要請で事務方にもスクランブルがかかったのだが、この暑さである・・・・・。
ただでさえSDGsの美名のものと、クーラーの温度を高めに設定されているのである。
これで窓のない倉庫に飛び込もうものなら、全身で火中の栗を拾うようなものである。
ズバリ、自殺行為。

事務所の誰しもが躊躇し、椅子から立ち上がる素振りを見せなかった刹那。
事務所でも一番若いT嬢がスッくと立ち上がり、むんずとマスクを外したかと思った途端、脱兎のごとく倉庫へ走り去ったではないか!

義を見てせざるは勇無きなり、とばかり、私も脱兎のごとく事務所を飛び出した。

中天に届いた太陽から光は容赦なく照りつけ、ジリジリと身体を焦がしていく。
これではまるで鬼滅の刃の鬼そのものではないか。
禰豆子よろしく倉庫に飛び込むや否や、窓のない空間では、淀んだ熱気が煮えたぎるように足元から立ち上ってくる。
そこから出荷伝票を片手に倉庫の中を駆けずり回り、ハンドキャリーで運べるものを運べるだけ運んだ。
T嬢は偉大である。
若干20代そこそこの妙齢麗しい女子が、脇目も振らず、ファンデーションやアイシャドーが溶け落ちるのも構わず倉庫を縦横無尽に走り回っているのだ。

額と全身に汗して、倉庫をコマネズミのように動き回る彼女を見て、心底美しいと思ってしまった。
IT全盛の時代においても、額に汗して労働する姿というのは一種の感動を呼ぶ。
それが、労働とは無縁と思われるか弱き女性からのものとなると尚更である。

バケツリレーのように品物をパレットに載せ、ようやく人心地ついたとたん、吹き出す汗とともに後頭部付近に鈍痛が走り出した。
あ、また家にいるときと同じ症状だ。
いくらヌルいとはいえ、クーラーに当たりすぎちゃってたかな・・・・・。

と思った途端、開口一番T嬢がこうのたまった。
「五郎さん、それ熱中症に決まってますよ、早く水飲んで涼んでください。倒れますよ!」と。

在宅で仕事をしているとき、真夏は毎日にように頭痛にさいなまれていたのだが、よもや熱中症だったとは・・・・・。
扇風機に当たりすぎてたから、身体が冷えて頭が痛かったと思っていたのは自分だけだったようだ。
完全に熱中症だったのである。

今年の夏、自宅で熱中症にならぬよう、しっかりと水分補給だけは忘れぬよう肝に銘じた。
くれぐれもクーラーだけは点けてはならぬからだ。


つまらない日記に付き合ってくれて、本当にありがとうございます。

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