2024年10月1日

逆転の一発。
長い人生においてそうそうお目にかかれるイベントではないが、これは確実に存在すると思っている。

いっときの心の迷い、道ならぬ恋慕の情により、超えてはならぬ相手と一線を超えてしまう。
それを報道という名のもとに大々的に大衆に晒され、見事に詰んでしまった芸能人のなんと多いことか・・・・・。

褒められるものなどでは断じてない。
既婚男性との浮き名を流した独身女性のそれは、相手の家族を失意と怨嗟のどん底に叩き込み、自らをそれ以上の地獄に投じてしまうものなのである。

わかっちゃいるけど止められねぇ・・・・・。
スーダラ節を歌い上げる植木等か、はたまた、いくら辞表を提出しても受理してもらえないブラック企業の使い捨て戦士なのか。
世の中には理性や自制心、道理だけでは踏み止められぬ不条理なエリアがあり、相手とタイミングと気持ちさえあれば安々と超えられてしまうから不思議である。

妻帯者であるイケメン俳優と禁断の地に降り立ってしまった某女優。
その火遊びが文春砲により高らかに世に知らしめられてからというもの、彼女が受ける誹謗中傷とあらゆるメディアからの締め出しは今さら説明の必要がない。
事務所があれだけ力を入れて猛プッシュして売り出していたにもかかわらず、たった一発の文春砲で木っ端微塵だったのである。

現代の令和日本。
背徳の折り紙をつけられた人間を容赦なく断罪し、放免を全く与えないとい風潮は厳しすぎるのではいかと思う。
気に入らなければその芸能人の活動に無視を決め込めばいいのである。
匿名の仮面を被り、対岸から石つぶてをフルモーションで投げつけ鬱憤晴らしをしなくてもよいではないかと考えてしまう。
遅刻が多く傍若無人の限りをつくしたYoutuberなど、もぅ消えて欲しいとは思うが、一定期間の禊の時を経たならば、自力での努力で再度メディアに出てきても、まぁ良いのではないかと思うのだ。
(そのかわり、出てきたとしてもガン無視を決め込むつもりではあるが)

何でもかんでも一発ヤラかしたら絶対に許さない!
芸能人としての抹殺もやむなしと言った風潮には、正直少しやりすぎなのではないかと心中穏やかではない。
猛省し心を入れ替え、そこから誠意ある行動と自分の実力で再びメディアに返り咲いたのだとしたら、それはそれでそっと見守ってあげるのが肝要だと思う。
それでも気に入らねば視聴しなければそれで良いのだ。

先ごろ、Netflixで話題の「極悪女王」をイッキ見で視聴してしまった。
かの不倫騒動で全てを失った彼女が、進退を決するために体当たりで挑んだドラマである。
社会現象ともなった昭和女子プロレスの栄枯盛衰を、日本で一番◯したい悪役レスラーのダンプ松本を主軸に据えて描ききった青春群像劇だ。
出演陣の迫真のプロレスシーンも見応えがあり、これは長与千種氏が全面協力のものとでレスリング指導を行った成果が遺憾なく発揮されている。
ビューティーペアやクラッシュ・ギャルズ、極悪同盟をリアルタイムで体験しているものとしては、余りの寄せっぷりに思わず目頭が熱くなった。
悪役セコンドの阿部伺朗氏を演じきった音尾琢真さん。これがまたいい味を出していた。
まさに演じた通りの卑怯かつ狡猾なやり口に、「役者やのぉ~」と呟いてしまったほどだ。

長与千種役を見事に演じきった唐田えりかさん。
この作品を通じて一発逆転。見事にメディアに返り咲くのではないだろうか?
女優が頭を丸めれば体当たり演技なのか、という意見はあるだろうが、それを補っても余りある体を張った名演技に見入ってしまうこと必死である。

ラストシーン、それまでいがみ合っていた者同士がわだかまりを捨て、手を差し伸べあうところに至っては、私だけでなく昭和女子プロ全盛時代を知らない妻までもが声を殺して泣いていたほどである。

「地面師たち」につづき胸アツのドラマを視聴することができた。
唐田えりかさんの勇姿をまた再びメディアを通じて見てみたいと思ったのである。



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