やりすぎへの道② ~血染めの特訓~


「じゃ練習しましょう」
「来週にでも」

またしてもマリオからの誘いは唐突であった。

この日もラインで会社の悪口やら、どうでも良い下らない会話を送受信している最中からの打診であったのだ。
何をどうするとこの脈絡もない話の展開になるのか、何度も頭を抱えてしまったが、高額なエントリー・フィーを支払い、高らかに参加を表明してしまった東京エクストリームウォーク対策の話である。
たとえ話の脈絡が不整脈のように規則正しくなくとも、ここは襟を正し、しっかりと打ち合わせせねばなるまい。
途中でリタイアする事態に陥れば、エントリー・フィーをむざむざドブに捨てることであり、家族や友人たちの「どうせゴールなんて出来やしねぇよ」という、負の期待に見事応えることにもなる。
準備はし過ぎても足りないくらいなのだ。

「できるできる詐欺」、「やるやる詐欺」、「言うだけ番長」、「夏休みのラジオ体操」…。
およそ意志薄弱で、何事においても初志貫徹とは無縁といわざるをえない数々のニックネームをもらった身の上ではあるが、アラフィフを過ぎてようやく、その汚名を返上すべき時がきたと思っている。

16,000円でここまで「やる気の炎」をたぎらせることができるのなら、長かった人生、なぜもっと早くそうしなかったのかと問われれば、それは身銭を切っていなかったからとしか言いようがない。
ありったけ注いでもらった親からの教育という名の投資は、含み損を抱えたまま我が人生は終わりそうである。
これから先、含み益に転じる要素などヒトツもない。
他人事の人生を歩んできたのだとつくづく後悔する。

さて。
ここでマリオについて少し言及しておかねばなるまい。
過去、彼は何度かこのブログに登場しており、一緒にアウトバックステーキで肉の宴に興じたり、京都の安井金比羅宮様で共に悪縁との縁切りを願った旧知の友だ。
元々は上司と部下の関係(もちろん私が上司)であったが、部署異動になって働く環境が変わってからは、年の離れた気のおけない友人へ関係が変化していったのだ。

そんなマリオがガチでランニングをしていることを今回初めて知った。この、東京エクストリームウォーク参加要請をするまで、そんな素振りを見せたこともなかったのだ。
24時間マラソンや100kmマラソンなどにも参加し、全国で開催されている名のある大会にもエントリーし、その都度遠征していることも聞いたことがなかった。
しかも、そこそこの成績を残しており、今ではランニング初心者に対し、指導者という立場でコーチングまでしているというのだ。
たまにどこかに出かけるとお土産を買ってきてくれてはいたが、まさかそれがマラソンの地方遠征でのものだったとは、この機会で色々と話をしてみて初めてわかったことなのだ。

なるほど。これから話は早い。
マラソンガチ勢の猛者がバディとなって共にイベントに参加し、コーチングまでしてくれるというのならヤレる。これは歩ききれる。ゴールテープを切る我が身を薄っすらと思い浮かべることが出来たのだ。

高額なエントリー・フィーとは別の形で、メラメラとやる気が更にたぎってくるのがわかった。
これから先に記載するのは、本番までの血のにじむような特訓の記録である。
(たった6回しか練習していないけど)

 

第1回目トレーニング

8月5日(金) 天気:快晴 日中の最高気温:27℃
出発地:小田原城 ⇛ 目的地:平塚駅

練習初日ということもあり、まずは第1チェックポイント手前の平塚駅まで歩いてみようということになった。
小田原城址公園の銅門広場を出発し、規定のコース通りに国道1号線に出る。
小田原市街の歩道は細く、なおかつタイルやコンクリートがところどころめくれていて、非常に歩きにくい場所が多数あった。
城下町であり、近代的な市街地整備が難しいお国柄とはいえ、もうすこし幅広の歩道は整備できないものかとため息がでる。
汗を拭き拭きしばらく歩くと、大きな酒匂川が左手から流れ、右手の相模湾に流れ込むロケーションにぶつかる。見晴らしがとても素晴らしく、富士山の勇姿と相まってスタート直後の映えスポットになりそうな予感。

酒匂川から更に歩を進め、出発から1時間半ほど過ぎたところで1回目のブレイクを入れる。場所は親木橋近くのコンビニエンス・ストア。
真夏ということもあり汗が止まらず、とにかく喉が乾く。冷えたスポーツドリンクをイッキに流し込み、ついでにカチコチに凍ったペットボトルの水を購入し、背中のリュックサックのサイドポケットに入れる。
(ドリンクを一気に飲むのは胃が膨れるし、何より身体が冷えるので良くないとマリオに早速叱られる・・・・・)
しばらく歩けば氷も溶け、喉が渇いたときにいつでも飲めるだろう。

右手に西湘バイパスと海岸線をみながら、国府津駅を過ぎ、二宮、大磯へと歩を進める。
途中、孤独のグルメ・シーズン9で登場した金目鯛の煮付「にしけん」と、パフェ「山小屋」に遭遇したのもちょっとしたサプライズであった。

二宮駅を過ぎたころから段々と足腰に鈍痛が襲い始める。
大病をしてから身体のバランスが悪くなり、何故か右半身に体重を乗せるようにして歩く癖がついてしまい、それが元で、右の腰にしこりのように鈍痛が固まっていくような感がある。
頑張って1kmを10分ちょっとのペースで歩いていたのも、この頃になると12分後半まで落ちてしまっていた。
暑さで体力の消耗が激しくなるのは承知していたが、それよりも腰の痛みで気が萎えてくる。
痛みは全ての気力を問答無用に強奪していく。痛みが解消されない限り、どんなに己を鼓舞しようが周りから必死に応援されようが、木枯らしに震える枯れ枝のごとくやせ細って折れてしまう。
まだせいぜい10kmちょっとしか歩いていないのにこのザマである。
練習前の「イケる」という謎のやる気は、早くも風前の灯と化している。
この痛みに対する対策を施さない限り、本番では早々にリアイアの文字がチラつきはじめそうだった。

それでも必死の形相のまま歩を進め、なんとか大磯を過ぎて平塚市街に入る。
この頃になると腰の痛みは耐え難いものに変化し、信号待ちの間は両膝の上に手のひらを乗せ、腰を折りゼェゼェと息も絶え絶えの状態になってしまっていた。
大会のルールで信号無視はご法度(大会でなくとも当たり前だが)なので、とにかく眼前の信号が赤であれば休めるのだが、こういう時に限ってタイミングよく赤になってくれない。
もはや普通の汗か冷や汗か判然としないまま、激しい腰の痛みとともに平塚駅北口に到着した。
ウォーキング時間:5時間51分。
歩数:33,308歩。

嫌な予感しかしない第1回目トレーニングであった。

第2回目トレーニング

8月22日(月) 天気:快晴 日中の最高気温:31.5℃
出発地:鴨宮駅 ⇛ 目的地:平塚駅

第1回目のトレーニングで残した不安を払拭すべく、第2回目トレーニングはマリオの力を借りずソロで平塚駅までの踏破に挑んだ。
出発地点はJR東海道線の鴨宮駅とし、前回よりも少し短距離でのトライとした。
自分がどこまで歩けるのか限界にチャレンジしてみたくなり、途中、大磯のコンビニでのトイレ休憩以外は休まず歩き続けてみた。

最高気温が31℃を超えると視界の遠くには陽炎が立ち上る。
持参した凍った水のペットボトルも、あっという間に冷えた水からぬるま湯に変わっていった。

腰の痛みは相変わらずで、前回同様、大磯を過ぎたあたりから痛みで悲鳴を上げ始めた。暑さと腰の痛みで半ば意識も朦朧としかけていたが、足を引きずりながら平塚駅北口に到着。
ウォーキング時間:3時間53分。
歩数:26,650歩。

痛みを緩和させないことにはどうにもならないことを痛感させられたトレーニングだった。

第3回目トレーニング

9月21日(水) 天気:快晴 日中の最高気温:23.5℃
出発地:鴨宮駅 ⇛ 目的地:高浜台交差点(平塚)

マリオとの日程調整ができないまま1ヶ月近くが経過してしまったので、本番での第1チェックポイントである高浜台交差点を目的地に、今回もソロで踏破に挑んだ。

前回までは、大磯駅を過ぎて国道1号線沿いに平塚駅を目指していたが、今回は本番のコース同様、大磯駅から国道134号線に入り、そのままひたすら海岸線を高浜台交差点まで目指した。

まだ夏休みをエンジョイしている人たちが多く、海辺からはバーベキューの香ばしく焼ける肉の香りが鼻をくすぐり、照りつける太陽の下、波待ちをするサーファーの頭がいくつも見え隠れしていた。
うっかりサングラスを持ってくるのを忘れてしまい、激しい太陽光を真正面から喰らい目を開けてはいられなかった。あとからマリオに聞いたのだが、太陽光線は目をかなり疲労させるのだそうだ。
知らず知らずのうちに眼精疲労が全身へ悪影響を及ぼすので、くれぐれも暑さ対策としてサングラスとキャップを忘れずに持参するように念押しされたのだが、慌てて家から出たので、両方とも玄関先に忘れるという失態を演じてしまう。

ウォーキングのフォームを自分なりに見直し、少しでも腰に負担の掛からないものに替えたつもりだったのだが、平塚駅南口に入る道路標識を越えたあたりで腰の痛みは限界寸前を迎えていた。

半分涙目になりながら高浜台交差点に到着。
本番は11月なので暑さ対策より寒さ対策なのだろうが、なにより腰の痛みの問題解決に早急に取り掛からねば、ゴールは遠のき、リタイアの4文字が目の前に迫ってくるだけは確実だった。

ウォーキング時間:3時間55分。
歩数:26,926歩。

腰の痛み、舐めきっていた。

第4回目トレーニング

10月1日(土) 天気:快晴 日中の最高気温:27.8℃
出発地:平塚駅南口 ⇛ 目的地:戸塚駅

ようやくマリオとの日程調整がつき、今まで遅れた分を取り戻そうと、決意を新たに平塚駅南口に集合する。
マラソンガチ勢のマリオは、二人で練習ができない時もコンスタントにランニングを毎日続けており、平塚駅まで歩くのにヒィヒィいっているオヤジに比べ死角は一切なかった。

「人の心配などせず、しっかりと自分の足で歩ききることだけを考えてください」
もっこりと立派に盛り上がった子持ちししゃものような彼のふくらはぎは、無言のプレッシャーをこれでもかと浴びせかけてくる。
「そりゃねぇぜ、セニョール・・・・・」
フルマラソンを年に何回も完走し、年齢も自分より一回りも違うのだ。
くたびれ果てたアラフィフおやじに、もうすこし優しくプレッシャーをかけてくれてもいいのではなかろうかと、ノリで出場を決めたことを少し後悔し始めたが、そんな中、マリオは黙々と私の足の裏にテーピングを施してくれている。

踵を支点にして、親指と小指の二方向に「V」の字の形でテーピングをしてくれた。
このテーピングの方法は「ディズニー貼り」と呼ばれるもので、「ディズニーを遊び尽くす猛者達は、長時間園内を歩き回っても疲れないように、この方法で足の疲れを緩和させるという由緒正しいテーピング方法です」。
と、マリオは説明してくれた。
世の中には知らなくても害のない、どうでもいい情報が山のようにあるものだと関心する。

平塚駅南口を海に向かって直進し、国道1号線とぶつかったら左折。
そこから高浜台交差点を過ぎ、ひたすら第2チェックポイントを目指す。
途中からコースは国道1号線から逸れ、砂浜脇の道路に移る。
交通量の多い国道沿いを長蛇の列が続くより、多少の歩きやすさを犠牲にしても安全面を最優先にしたコース設定なのだと、実際に歩いてみて納得する。
事実、車がえらいスピードで通り抜けるそばを2,500人の参加者が列をなして歩いていれば、車道に出てしまう者も少なからずいるはずである。ひとたび事故でも起こそうものなら、大会自体が一発中止の憂き目にあう。
通算5回目を迎えている大会なのに交通事故などの報告がないのは、ひとえにこのコース設定の賜なのだと感心する。

行けども行けども近づいてこない江ノ島を睨みながら、砂浜脇の道をひたすらに歩き続ける。
容赦ない太陽光はジリジリと露出した肌を焼き、体内の水分と体力を奪っていく。
疲れた身体を引きずりながら、サーフボードを自転車の脇に携えたサーファー数名とすれ違う。
サザンビーチを過ぎ、ようやく目の前に近づいた江ノ島を確認すると、第2チェックポイントである湘南海岸公園クラゲ広場に到着した。

本番想定同様、ここで10分ほどの休憩を取ってから藤沢を抜け戸塚駅に向かう。
途中にある遊行寺坂。
このエクストリームウォーク中盤最大の難所とも言える場所で、結構な勾配の坂道が延々と続く。
車で通った時も急勾配であることを感じたのだから、これを徒歩で行くのはシンドイ以外のなにものでもなかった。
「まだおわんねぇのかよ・・・・・」と、何度口から嘆きの言葉が出たか知れない。
かなり細く、道路脇に繁茂する雑草がかなり多くて歩きにくい道であったのも、疲れを倍増させる要因の一つであったことは言うまでもない。

難所の遊行寺坂を抜け、万年交通渋滞で有名な「原宿交差点」を超えて目的地の戸塚駅に到着。
両足のつま先をなるべく真っ直ぐにすることを心がけ、踵から着地してつま先で蹴り出す。
この余りにも基本的なフォームを徹底的に意識することにより、かなり腰の痛みが改善された。
(といっても全くなくなった訳ではない)
試行錯誤しながらのフォーム修正が、身体への負担を少なくしていることを実感できた。
本番まで時間的猶予は少なくなったが、それでも確実に進歩している感はあった。

ウォーキング時間:4時間50分。
歩数:30,990歩。

ヤレる・・・・・かも知れない。

第5回目トレーニング

10月14日(金) 天気:快晴 日中の最高気温:21.2℃
出発地:戸塚駅 ⇛ 目的地:品川駅

本番まで1ヶ月を切り、いやが上にも緊張感とテンションと不安が右肩上がりに上昇していく。
今回の練習は今までの中でも最長の距離である、約40km弱を踏破する。

戸塚駅から品川駅。
今までは神奈川県内を歩くだけだったのが、とうとう県を超えて東京都に足を踏み入れるのだ。
30kmちょっとを歩くだけでも痛みで粉々になりそうだったのに、それ以上の距離に挑み、果たしてガラスの腰がどうなってしまうのか全く予想がつかない。
フォームの改善と調整を歩きながら行うにしても、腰の時限爆弾がいつ爆発するか心配でならなかった。
(とはいえ、本番では今回の距離の倍以上を踏破せねばならない)

戸塚駅を後にすると、しばらくは延々と国道1号船を横浜に向かって進んでいく。
横浜に近づいているだけあって歩道の幅も広く、しっかりと整備がゆきとどいているのでとても歩きやすい。こんなところに地方との格差を感じてしまうのは田舎者ゆえのヒガミなのだろうか。

とにかくひたすら歩き続け、第3チェックポイントである横浜市児童遊園地も通り過ぎ、戸塚警察署の見える浜松町交差点を右折。そのまま藤棚浦舟通りをみなとみらいへ進み始めたときだった。

「みゅる」・・・・・。

腰の痛みが訪れる前に、何やら不穏な感触が左足小指に感じられると気づいた途端、鋭い痛みが襲いかかってきた。

・・・・・やってしまった。
あれだけ気をつけて慎重に歩き、出発時にしっかりとワセリンを塗ったというのに小指の皮が剥けてしまったのだ。
歩を進めるたび、体重を左足に乗せるたびに鋭い痛みが走る。
それと同時に、血の染みがジワジワと、靴下からシューズのインナーにまで達している不快感が左足に広がるのを感じた。
腰の痛みと同様、この擦過傷による鋭い痛みも恐れていたのだ。
どんなに足にフィットしたシューズやソックスを履いていたとしても、長距離のウォーキングでは足の動きとのズレで摩擦熱を生じさせる。
短時間であれば指の皮もそれに耐えられるだろうが、これだけの長時間による摩擦熱に炙られればひとたまりもない。恐れていた恐怖の大王の二人目が我が身に降臨してしまった瞬間であった。

みなとみらいのお洒落な街並みや、赤レンガ倉庫で開催されているオクトーバーフェストの喧騒をよそに、我が左足小指はナイフを突き立てられ、グリグリと刃先で患部をえぐられれているような鋭い痛みを訴え続ける。
途中数回のブレイクを入れたとて焼け石に水。患部の痛みの広がり具合で、小指の皮の剥け具合が手にとるようにわかる。
今や、左足小指は因幡の白兎のごとく赤裸になっているだろう。
前回練習終了後に戸塚駅で購入した真新しいランニングシューズは、痛みの広がりを示すかのように、目に鮮やかなライムグリーンの布地を鮮血が赤黒く染めていった。

あまりの痛みに耐えかね、途中コンビニでブレイクを入れるついでに絆創膏を貼る。
脱いだ靴下から顔を出した小指は、見るも無惨な赤裸のイモムシのようになっていた。
「もうこれくらいにして、今日は練習おわりますか」
顔をしかめたマリオに助け舟を出されるも、この程度で諦めていは100kmを踏破するなど夢のまた夢である。痛みになぎ倒されそうな気力を奮い立たせ、ガンダムのようにしっかと第一京浜脇の歩道に立ち上がると、ビッコを引きながら左足を前に踏み出した。
まだ諦めるわけにはいかなかった。

横浜から品川まで延々と続く第一京浜。
片側4車線という広い道路は、歩道もかなり広めに作られている。
痛みを抱える左足にとって、少しでも歩きやすい幅広の歩道はありがたかった。
ただ、この第一京浜もとてつもなく長く、行けども行けども横浜市内を抜け出すことができず、保土ケ谷に到着したころに再び恐怖が訪れることになる。

突然の腹痛だ。
藤沢あたりまでのコンビニエンス・ストアであれば、買い物客にトイレを開放している店舗がほとんどなのだが、都会に近づくにつれトイレ貸出NGの店舗が激増する。
顧客へのサービスやホスピタリティとはどこへやったのだ、と悪態をつきながら、既に3件ほどのコンビニでトイレの借用を断られたのだ。
本番は11月12日。どう考えても寒風吹きすさぶ中での道行きとなる。
寒さと腰の痛みが腹痛を誘発することは容易に想像できる。今回も念のためにトイレットペーパー1巻きをリュックサックに忍ばせてはいるが、トイレが無くては使い所がない。
大会ルールにより野外での排泄はご法度で(これも一般常識であたりまえ)、発覚すれば一発失格となる。コース途中に点在する公園でのトイレまで間に合えばいいのだが、そうそう都合よく腹具合が変わるわけもなく、苦悶の表情を浮かべながら大型スーパーのトイレに駆け込み事なきを得る。
この突然襲いかかってくる腹痛の対策も考慮しなくてはならないと、トイレで「考える人」のごとくのポーズを取りながら考え込んでしまった。

腰と左足の痛みを抱え、精も根も尽き果てた状態で品川駅の高輪口に到着する。
さすがに今回の練習はキツかった。キツい上に精神的ダメージがデカすぎて、歩き終えた後はしばらくその場に座り込んでしまい動けなくなってしまった。
これで100kmの半分以下の距離なのだ。大会当日、我が身に襲いかかってくるであろう激痛の具合を考えるだけでリタイアしたくなってくる。
腰の痛み、足の痛み、擦過傷と突然の腹痛・・・・・。
想像を絶するハードさに打ちのめされた練習であった。

ウォーキング時間:8時間10分。
歩数:52,976歩。

100kmなんとかなるかも!?と、無謀な挑戦に挑んだ自分をグーパンチしたくなった。

第6回目トレーニング

11月3日(木) 天気:快晴 日中の最高気温:21.0℃
出発地:品川駅 ⇛ 目的地:有明ゴール地点

大会一週間前にようやく最後の練習ができた。
前回の練習に比べ今回は距離が短い。
品川駅を出発して新橋、築地、豊洲を抜け有明まで目指す。

前回の地獄の練習から日数も経過し、左足指のケガの具合も良くなっていたのでそこそこのペースで歩き続けることができた。
最後の難所である豊洲大橋はかなりの急勾配だったが、眼前に広がる東京湾からの爽やかな海風が疲れを和らげてくれる。
ゴール地点である有明ガーデンに到着。気がつけば、腰は疲労疲労で多少張る程度、腹痛もなく、擦過傷にもならずにすんだ。
今までの練習において一番ラクで、ウォーキング自体をしっかり楽しむことができた。
品川まで制限時間内に到達すれば、あとはなんとかゴールできるだろうという予想は立てられた。

ウォーキング時間:4時間43分。
歩数:27,556歩。
(有明からの帰り、調子にのってレインボーブリッジの歩道を歩いて品川まで帰ったので正確な数値ではない)

全行程を踏破することはしたが、はやり不安しか残っていない。
第5回目の練習が思いっきりトラウマになっている。

いよいよ来週

真夏から、大会一週間前にいたる約3ヶ月を練習に費やした。
上記の練習以外にも、雨天を除く全ての日で最低でも1時間以上のウォーキングを行っていた。
もう泣いても騒いでもどうしようもない。
残りの一週間はしっかりとコンディションの調整をし、メンタルを整えることだけに注力することにする。
自分なりに練習すべきことはしたつもりである。
これ以上の練習はやれと言われてもできないだろう。

弱音は吐くが棄権はしない!
この言葉をスローガンにし、来る11月12日を迎えるのみである。

 


 

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