仰げば尊し・・・・・。
昭和卒業ソングのド定番。
誰もが知っている海援隊の「贈る言葉」と斉藤由貴の「卒業」は、この時期、全国的に最も歌唱される流行歌のニ大巨頭であった。
(他にもユーミンの卒業写真やら尾崎豊の卒業もありますが・・・・・)
令和現代では、これらの歌が式典やメディアで聴かれることは滅多にない。
歌は世につれ世は歌につれというように、その時代で、記憶の原風景の一部になる音楽や歌はコロコロと変わる。
定番といわれているものも、いずれは記憶の片隅に追いやられ、記録の一部と化すのだろう。
今日、可愛い我が姪っ子が無事に高校を卒業した。
高校に入学してからは色々あったらしく、塞ぎ込んで学校に通うのが辛い時期や、恋愛や勉強や進路に思い悩む時期も多かったと聞いている。
何もしてやれない、無力で非力で無責任な叔父である私は、ただただ妹からの愚痴にも似た話を聴くのが精一杯であった。
ただ、高校三年、最後の一年間は素晴らしい友人たちに恵まれ、本当に高校生活を楽しめていたようだった。
たまに我が家に遊びに来たかと思うと、弾けるようなとびきりの笑顔で、小遣いだけをせびりに来ていたのを微笑ましく覚えている。
自分の周囲を取り巻く時間の流れが速いように、自分もまた同じように年を取っている。
赤ん坊だった姪っ子がもう高校を卒業・・・・・。
春になったら大学生だ。
就職、結婚、出産などのライフイベントを、順調に満遍なく、人並みに経験してくれることを切に願ってしまう。
ごくごく普通の、ありきたりで安心できる毎日を暮らしていってほしい。
それが幸せと気づくのに、もう少し時間がかかるかもしれないけれど。
照り返しの激しい太陽の光に目を細めるように、学生時代の素晴らしい思い出は輝かしいものだと思う。
しっかりと素晴らしい思い出を人生の栞にして、次のステップに進んでいって欲しい。
お小遣いはあんまりあげられない貧乏な叔父さんだけど、姪っ子の君たちの幸せは心の底から願っている。
決して、子供がいないから老後の面倒をちょっとだけでも良いから見てほしいなどという、邪な思いは微塵も入っていはいない。
だけど、ボケて何もかもわからなくなる前に、ちょっとだけで良いから顔を見せに来てほしい。
元気な笑顔を見れるだけで、きっと自分の人生は価値のある尊いものだと感じられると思うから。
姪っ子よ、高校卒業、本当におめでとう。