「本日、観測史上初めての最高気温を更新しました」
「命の危険が伴いますので、日中のお出かけは極力さけてお過ごしください」
「今夜もまた寝苦しい夜となりそうです」
40度超え、記録的、命の危険、水不足、熱中症、水分補給・・・・・。
今年の夏も例年通り、しゃべくり漫才のツッコミのように同じ単語が連日メディアから聞こえていたが、9月も中盤にさしかかり、ようやくこれらを耳にする頻度が少なくなってきた。
といいっても、まだまだ日中は気の抜けない高い気温が続いており、今日などは朝からの弱い雨のおかげで蒸し暑さがうっすらと体にまとわりついている。
いつになったらこの暑さが鳴りをひそめ、来年までの長い旅路に出るのかと心待ちにしているのだが、まだまだイタチの最後っ屁のように日本列島に居座るつもりらしい。
もぅウンザリだ。
去年までは、気温が32~33度あたりまで上昇し、イライラのK点を超えるまでノーエアコンで頑張っていたが、今年は早々に白旗を上げてしまった。
もぅ、耐えるということに身体より先に心が折れてしまった。
快適自動運転という節約マインドを刺激するような機能がエアコンに標準装備されていることも、心を折れさせる原因だったのだ。
「も、いっか・・・・・」
ダダ漏れる心の叫びに屈し、一度でもエアコンのスイッチを入れて就寝したのが最後であった。
もぅ冷気なしでは吹き出る汗を抑えるどころか、目をつぶって睡眠モードに入ることも困難になってしまった。
元より怠惰で、快適な環境で緊張感のない毎日を過ごすことを無常の喜びとしている人間にとって、疲れないで眠りの世界に入れるということが何よりプライスレスだったのである。
7月と8月はガッツリとエアコンのお世話になった。
点けていなかった時間帯のほうが圧倒的に少なく、家にいるほとんどの時間はフル稼働で頑張ってもらっていた。
政府からの補助金のお陰で電気代がかなり抑えられたのも、フル稼働に拍車をかける要因でもあった。
ノーエアコンで過ごしていた時期、とにかくパジャマ代わりに着ていたTシャツが汗臭かった。
目が冷めてヨロヨロとリビングに向かう途中、脇からモワっと立ち上がってくる臭いにガン萎えしてしまっていた。
加齢臭とのダブル攻撃に自分自身がヤラれてしまっていたのだが、今年はそれほどまでに強烈な臭いを発することはなかった。
就寝中の発汗がかなり抑えられていたためであろう。
とにもかくにも峠は超えた感じだ。
高温で推移していた気温も、徐々にその熱を下げてくるだろう。
今年も秋はあっという間に過ぎ去ってしまい、季節の味覚や紅葉を愛でる間もなく寒くなると思う。
日本っていつから夏と冬の二季の国になったのだろう?
自分が子供の頃、夏の気温は最高でも30度を超えるか超えないかだったと記憶している。
四季はまんべんなく訪れ、日本の情緒に深みと彩りを加えるものだったのに・・・・・。
今後、日本の米どころは北海道になってしまうとのニュースを聞いた。
100年後、日本は亜熱帯の国になってしまうのだろうか?
ご近所から分けてもらった新米を噛み締めながら、自分は存在していないであろ未来を少し憂いてみる。
どうなっちゃうのかなぁ~・・・・・日本。
それより、我が家の台所事情を心配すべきなのは言うまでもないのだけれど。