いざ、外宮へ!
二見興玉神社を参拝し、しっかりと俗世の垢を落とせたところで外宮へ向かうのである。
外宮とは正式には豊受大神宮(とようけだいしんぐう)であり、豊受大御神(とようけのおおみかみ)さまをお祀りしている。先述したとおり、豊受大御神さまは内宮にいらっしゃる天照大御神さまのお食事を司っており、衣食住と産業の守り神とされている。
ここで忘れてはいけないのが、外宮は「左側通行」で、内宮は「右側通行」ということだ。
その起源について、はっきりと文献などに記されてはいないようだが、昔からそのようになっているらしい。
お作法には黙って従うべし。
もちろん、参道や鳥居をくぐる際、ど真ん中を肩をイカらせて通ることなどもってのほかである。
真ん中は神様の通り道であるからして、人間ごときが偉そうに、直球ストレートで神聖なその場所を闊歩することなど許されない。
妻と二人、しっかりと左端を歩いたのは言うまでもないが、私より真ん中寄りを歩いていた妻は、やはり私より神に近い尊い存在だからだろうか?
せんぐう館とハート型の石
外宮の大鳥居をくぐり、しばらく参道を歩くと「せんぐう館」が現れる。
伊勢神宮には「式年遷宮」と呼ばれる、内宮・外宮の正殿をはじめ、全ての別宮の社殿、神様に捧げる全ての品々(鳥居や橋にいたるまで!)を20年に一度作り変える一大イベントがあるのだ。(直近では平成25年に執り行われた)
「せんぐう館」は、式年遷宮に関する様々な情報や、外宮正殿の原寸大模型が展示されている。
もちろん、入館の際には入場料は必要なのだが、休憩室を無料で開放してくれているのはありがたかった。駅からしばらく歩く距離なので、ちょうど小休止したいと思う絶妙のロケーションに建設されている。
また、「せんぐう館」近くには「まがたま池」があり、そこには無数の花菖蒲が静かに咲き誇り、来館者の目を楽しませてくれる。
とにかく、外宮正殿の原寸大模型のスケールは圧巻である。皇族以外は決して目にすることも、近くに立ち入ることもできない正殿が、模型とはいえ原寸大で再現されているのだ。その大きさに圧倒されたのと同時に、その荘厳さに時を忘れて見入ってしまったのは言うまでもない。
外宮参拝の折りには、是非ともその目で確認していただきたいと思っている。(館内の撮影をためらったので、ここでは写真はない・・・・・すまぬ)
パワースポット女子はもうご存知かもしれないが、外宮別宮・「風宮(かぜのみや)」の石垣に、ハート型の石が見つかり、ちょっとした話題になっている。
「風宮」でお祭りされているのは風雨の神様である、級長津彦命(しなつひこのみこと)と級長戸辺命(しなとべのみこと)。このハート型の石、伊勢神宮参拝の情報を集めていたときに、Twitterで多く見かけていた。
「なんのこっちゃ?」と思ったが、よくよく見るとしっかりハート型であった。
良縁を望む女子が飛びつくのもうなづける。
外宮正殿へ!
伊勢市駅を後にし、火除橋⇛手水舎⇛せんぐう館⇛まがたま池⇛古殿地(式年遷宮で建て替えられる前に正殿があった跡地)まできたら、次は外宮正殿へ参り、豊受大御神さまとのご対面となる。
目の前に広がる鳥居をくぐれば、豊受大御神さまがいる。
衣食住と産業の守り神として、今、このコロナ禍の日本経済を導いてくれようとしているに違いない。
今年はまだ対面を許されなくとも、遠く離れた神奈川の地から経済復活を願わずにはいられない。
「三ツ石(みついし)」、実はパワースポットじゃない
外宮参拝のラストを飾るのは、「三ツ石」である。
近年、この「三ツ石」がパワースポットとして誤認識され、しめ縄で囲われているにもかかわらず、身を乗り出し、ご利益をもらおうと手をかざす不届き者が後を絶たないらしい。
「三ツ石」は式年遷宮で執り行われる「川原大祓(かわらおおはらい)」という祭事が執り行われる場所であり、一般人が立ち入っては行けない場所なのである。
ゆえに、枠としめ縄で囲われているというのに、私が参拝したときも、手をかざすどころか、小銭まで投げ入れている大バチ当たりがいたのには閉口してしまった。
無知はいかんのだ、無知は。
知らずとはいえ、結構なバチ当たりアクションを豪快に神様の前で披露してしまっているとあっては、何のための参拝なんだか分からなくなってくる。
ご利益に強欲な人間は、その行動ゆえに自分のクビを締めてしまうのだ。
・・・・・と書いていて、生まれて初めて参拝したときに、ひょっとしたらヤラかしてたかもしれない。
豊受大御神さま、どうぞお許しを。
豊受大御神さまに日々の糧への感謝を伝え終わったら、いよいよ天照大御神さまが待つ内宮へ歩を進める。
何度参拝に行っても、やはり天照大御神さまは別格だ。
こうして記事を書いていても心が踊る。
なるべく早めのアップを心がけます。
期待しないでお待ちを・・・・・。