だんだんと変わっていく上司
だんだんと上司が嫌いなタイプの人間になっていく。
何でも相談できる頼れる兄貴のような、大らかで気さくな人柄だった上司。
結構なぶっちゃけトーク、会社組織や事業の方向性への意見や批判、果ては下ネタなど。
何でも話せ、どちらかと言うと反コンサバ主義だったはずなのに・・・・・・。
彼が課長から部長に昇格してしばらく経つのだが、だんだんと話しかけづらくなっている。
最初は気のせいかとも思ったのだが、今は確信している。
彼は変わったのだ。
ゆっくりとではあるが、確実に。
失敗を許さない減点主義
私の会社は露骨なまでの減点主義だ。
それもかなり「エグい」。
自動車免許の点数制度と同じだ。
15点満点を付与されてのスタート。
何事もなく粛々と業績を上げ、事故やトラブルを起こすことなく1年が経過すれば、そのまま15点満点をキープして次年度を迎えられる。
満点以上に点数が加算されることはない。
だが、予算を達成できなかったり、何かトラブルでも起こすたびに点数はどんどん減点されていく。
2~3点の減点なら、次年度の業績向上で挽回もできる。
たがしかし、持ち点が10点を下回ろうものなら地獄だ。
前年度から飛躍的に業績を伸ばし、組織全体に大きな貢献でもしない限り、減点された点数を取り戻すことはできない。
前年同様の業績をキープするだけでも大変なのに、そこから更に、誰の目にも明らかな伸長率を数字で提示するのは不可能に近い。
神風などどこからも吹かないのだ。
だから、どの部長も失敗を許さない。
失敗したら最後、後がないことを知っているからだ。
そうなると待っているのは部下や組織に対する完全なる管理。
有無を言わさぬイエス・マンの大量生産政策が強行されることになる。
予算数値はライザップのごとくコミットを約束させられる。
それがいかに理不尽な数字であろうと、スケジュールを無視した無茶ぶりに近い命令であろうともだ。
とにかくやるのだ。やらなければならない。
こうして「働き方改革」はどこへやら?の、デスマーチの行進が始まるのである。
立場が人を作る
昇格した上司が体制側(会社側)に迎合するのは、これはもう仕方ない。
そうしないと与えられた地位や給与を守れないからだ。
守るために管理する。
守るために強制する。
守るために変わってしまうのは、結果的に、立場によって人が作られている事と同義ではないだろうか?
会社組織のヒエラルキーとセクショナリズムの産物に他ならない。
負け惜しみじゃない、私はもうこれ以上昇格なんてしたくない。
ただでさえ、体制側の人間に職制上はなってしまっているからだ。
給料は今のままで十分。
余計な仕事は増やしたくないし、第一、数字のプレッシャーに追いまくられる毎日なんて耐えられっこない。
デスマーチの先頭に立ち、部下を率いて行進する自分の姿など想像できない。したくもない。
「変わってしまう」昇格などしたくないのだ。
だから会社を辞めたい
このまま何年かをやり過ごし、無事に定年を迎えることができるか、はたまた意を決してアーリーリタイアの道を選択するかは定かではない。
日々、「会社を辞めたい」という気持ちは高まってきている。
これはどうしようもない、紛れもない事実なのだ。
どこまで頑張れるかはわからない。
でも、今持っている人間性、マインドはそのままに年齢を重ねたいと思っている。
切実に思っている。
「変わらない」ために。