金剛證寺(こんごうしょうじ)
「お伊勢まいらば朝熊をかけよ、朝熊をかけねば片参り」。
お恥ずかしながら、金剛證寺(こんごうしょうじ)の存在を最初は全く知らなかった。
伊勢神宮参拝について自分なりに色々と調べ、二見興玉神社での禊、外宮や内宮においての正しいとされる参拝の方法や、それにまつわる様々な場所や宮の特徴などの知識を習得できたと思っていたのだが・・・・・。
金剛證寺についてはノーマークであった。
六世紀半ば、欽明天皇(きんめいてんのう)により、朝熊岳山頂に創建されたお寺であり、伊勢神宮の鬼門をしっかりと守ってくださる、ありがたいお寺なのである。(伊勢神宮の鬼門は北東方向)伊勢神宮参拝と合わせてお参りするのが当たり前とされていて、知らなかったこととはいえ、人生初の伊勢神宮参拝は見事に片参りとなってしまったのである。(翌年の参拝ではしっかりお参りさせていただいたのは言うまでもない)
このお寺、平安時代には弘法大師(空海)により、堂宇(どうう)と呼ばれる密教儀式の建物が建てられ、真言密教修業の場として、とても栄えたという。また、境内に造営された「連間の池(つれまのいけ)」は極楽浄土をイメージして作られたとされ、池の中には何百という蓮の花が咲き誇り、池の中央部分に架けられた「連珠橋(れんじゅばし)」は、橋の手前側が迷いの世界、橋の向こう側が悟りの世界を表すとされている。
弘法大師の思い描く極楽がここに広がっているのである。
一種異様な奥の院
連珠橋を後にし、奥の院へと歩を進め「極楽門(ごくらくもん)」をくぐると、そこには一種異様な風景が眼前に広がる。
墓石の後ろで静かに立っている卒塔婆。お寺に行けば必ずと行って良いほど目にするものなのだが、この極楽門をくぐって目に飛び込んでくるそれは、その大きさと数が尋常ではない。
巨大で密なのである。それもとてつもなく。
最長のものでも5メートルほどはあろうかという卒塔婆が、奥の院へと続く道なりにずっと、文字とおり林立しているのだ。
写真をご覧いただき、人の背丈と比較してみていただきたい。
晴れた昼間でも薄暗い、鬱蒼した木々の中に交じるようにして立つ卒塔婆の列。
背の高い街路樹に囲まれた都会のペイブメントとは、120%趣を異にするこの光景。
初めて目にした時の衝撃たるや、いまだに忘れることなど出来はしない。
外宮・内宮とはまた違った雰囲気を醸し出している金剛證寺。
片参りとならぬよう、是非みなさんも参拝してみていただきたい。
ただし、この場所は朝熊岳の山頂になるので、伊勢志摩スカイライン(有料道路)を使わなければならない。
ゆえに、私は伊勢神宮参拝の折りには、電車ではなく車を利用するようになったのである。
極楽門 卒塔婆の林 人物との比較をしてみて欲しい(写真の人物は私ではありません)
おかげ横丁は外せない!
最後は伊勢神宮参拝の楽しみの一つである、「おかげ横丁」巡りである。
伊勢神宮参拝における、食とお土産物のテーマパークとして君臨する「おかげ横丁」。
安くて手軽。歩きながら食べられるワンコイン・ワンハンドグルメが多い。
参拝客はみな、片手に食べ物を持ちながらおかげ横丁を練り歩き、本格的にお腹が空いたとなると、伊勢うどんやひつまぶしのお店に入る。
休日の鎌倉、小町通りで見かける風景と全く変わらないのである。
ワンハンドで松阪牛コロッケを頬張り、かわいらしい小物、江戸情緒あふれる町並みをゆっくりと歩いていると、ひときわ目立つ「ギョッ!」となる干物屋に出くわした。
その名も「ひもの塾」。
なにがギョッ!となるかというと、普通では絶対に干物になぞしないような魚が堂々と並んでいたからである。
まんぼうやサメ、カジキマグロなど、あまりにも苦しそうな形相のまま見事に干物にされ、カラッカラに乾いた姿を見たときには本当にビックリしてしまった。
泣き出している子供もいたのだから、ちょっとしたホラーのようでもあった。
ワンハンドグルメが多い ファミマもこんな佇まい おかげ横丁のアイドル犬 銀行もご覧の通り
サメ・・・・・。 エイリアンみたい。 まんぼう。 コレって干物で食べる?
早く伊勢神宮に行きたい
今月(2020年9月)のブログエントリーは伊勢神宮オンリーになってしまった。
毎年の恒例行事、年単位のルーティーンが実施できないのが、これほど歯がゆくて辛いものとは思ってもみなかったコロナ禍の現在である。
GoToトラベルもいよいよ東京が参戦になることであるから、これを契機にコロナウィルスもいよいよ弱体化・沈静化の道をたどってくれることを願って止まない。
人間ってやっぱり旅が必要だし、レジャーがないとダメなのだ。
明るい太陽の日差しの下、笑いながら、歩きながら、過ぎゆく時間を楽しく過ごすことがなにより大切なのだ。
今年の夏はもう終わった。こればっかりは文句を言っても過ぎた時間は取り戻せない。
令和二年の夏は、愛しさと切なさと諦めの三重苦で彩られた季節だったことだけは忘れない。
来年こそは、赤福氷を食べながら伊勢神宮参拝をしたい。
いや、する。必ず!
だからもういい加減、コロナウィルスよ、静かにこの世から居なくなっておくれ。
頼むから・・・・・。